こんにちは隊長です!
突然ですが、
みなさんはバイステックの7原則を知っていますか?
これはソーシャルワーカー・ケースワーカーなどを始め、対人援助をする職種の方が気を付けるべき7つの原則で、アメリカの社会学者バイステックが提唱しました。
ちなみにソーシャルワーカー・ケースワーカーをざっくり説明すると、「身体上や精神上等、日常生活を送るのに困難を抱えている人やその家族の相談に乗り、助言や援助をする人」のことを指します。
福祉事務所、行政、病院等にいるのが多いですね。
いないとは思いますが、これを聞いて、
私は相談業務はしてないので関係のない話ですよね?
子どもが相手だから私には関係ないです~。
と思った方は、私と一緒に勉強しなおしましょう。
私たち学童や児童館職員は子どもや保護者の相談を受けています。
机を挟んでの相談ではなく、お迎えの時や子どもと遊んでいるときなどに悩みや困っていることを日常的に聞いていませんか?
それは立派な相談業務です。
学童や児童館職員も立派な対人援助職です。
それに相談業務だけではなく、ケンカの仲裁、雑談、子ども・保護者理解など様々なケースにも応用できます。
だからこそ7原則をしっかり学んで、子どもや保護者のために力を尽くしましょう。
今回は以下の本を参考に、ざっくり説明しています。
若かりし隊長も上司から「これ読むといいよ」と言われ読みました。
もっと詳しく知りたい、ちゃんと勉強したいと思ったそこのあなた。
読みごたえはありますが、とても勉強になるので読んでみてください。
では早速見ていきましょう。
個別化
1つ目は個別化の原則。
子どもや保護者のといった相談者の困りごとや問題において同じようなケースはあっても全く同じものはありません。
日常の中で「前にもこんなケースあったな」と思うことはあると思います。
でも、人が違えば、考え方・価値観・経験も違ってくる。
だから、その人のことを良く知り、準備したうえで、その人に合った援助をしようという原則です。
「前のケースはこの対応でうまくいったから、今回も同じ対応でいこう」はNGなのです。
人は誰もが一人の個人として認められたいという願望をもっています。
また同時にそれは個人の権利でもあります。
目の前の子どもたちや保護者を一人の人間として尊重しましょう。
意図的な感情表出
2つ目は意図的な感情表出の原則です。
相談者から悩みを聞いているとき、相手は「悔しい・悲しい・残念・ショック・イライラ・不安・困惑」など否定的な感情を持つことが多いです。
そういう感情を私たち援助者が意図的に出させてあげることで、子どもや保護者がスッキリし、客観的に自分を見つめなおすことができるようにする原則です。
もちろん肯定的な感情も同様です。
私はよく負の感情を言語化してあげていますが、ここでそれが活かせます。
ただ、あくまでも何でも出させてあげて良いわけではありません。
援助計画に沿って意図的に感情を表出してもらうのであって、その計画とずれた感情表出は意図的に抑えることも必要です。
また、相手がリラックスして話しやすい雰囲気(部屋の状況、自分の姿勢、座る位置等)も意図的に作る必要もあります。
統制された情緒的関与
3つ目は統制された情緒的関与の原則です。
援助者は自分の感情を自覚し、コントロールしたうえで相談者と関わるという原則です。
相談や悩みを聞いていると自分も辛くなったり、悲しくなったりすることがありますよね。
私もつられてウルっとしてしまうこともあります。
相手に共感し、相手の気持ちを理解しようとすることはとても大切なことです。
ただ、それに自分がつられて「相手が何を求めているのか、主訴は何か」が見えなくなってしまってはいけません。
相手の感情は受け入れ、理解しつつも、相手と自分の感情を分けて対応する必要があります。
私たちはあくまで援助者です。
自分の感情をコントロールしながら支援していけるといいですね。
受容
4つ目は受容の原則です。
子どもや保護者といった相談者をありのままに受け止める原則です。
その人の行動や考えを否定せず、まずはありのままを受け止める。
次の援助につなげていくうえで大事なことです。
相談者は自分の悩みや困りごとを打ち明けるのに、聞いてもらえるだろうか、拒絶されないだろうかと不安や心配を持っていることが普通です。
そこで頭ごなしに「それって違うんじゃない?」「こうすればいいんじゃない?」と言ってしまうと二度と相談されることはないでしょう。
支援の機会の損失です。
「話してくれてありがとう」と受け止めましょう。
そうすることで「受け入れてくれた」と安心感が高まり、次の援助へつなげていくことができます。
ただし、受容は法律に背く、反社会的な行動を認める、容認することではありません。
そのような行動に至ってしまったその人の考えや経緯を受け止めるのであって、望ましくない行動は望ましい行動をとれるよう援助していく必要があります。
非審判的態度
5つ目は非審判的態度の原則です。
相談内容について援助者が良い、悪いを判断してはいけないという原則です。
良い悪いは援助者の価値観です。
相談者とは経験も考えも価値観も違います。
良い悪いの判断ができるのはあくまでも相談者自身です。
先ほども述べましたが、相談者は困りごとや問題を話すことに対して非常に不安や心配を抱えています。
せっかく勇気をもって話しても「それはあなたが悪い」と言われたらどうでしょう。
もう話したくないですよね。
言葉で言わなくても援助者の考えが態度やしぐさに出ることもあるので注意が必要です。
援助者は「良い悪い」ではなく、「なぜそうなったのか」「なぜそうしたのか」「なぜそう思うのか」「今後どうしていくのがいいのか」を考えることが大事です。
自己決定
6つ目は自己決定の原則です。
相談者の意思を尊重し、相談者自身が選び、決めることを援助することの原則です。
「相談者の為に」と手取り足取り、何から何まで準備、用意、決定してあげることは相談者の為になりません。
相談者の自分の力を奪っていることになります。
私自身も、何か相談されたら、知っていることはメリット・デメリットをあげたうえで、相談者自身に決めてもいます。
知らないことは一緒に調べたりもします。
援助者は、日ごろから地域の社会資源について調べておくと良いですね。
秘密保持
最後は秘密保持の原則です。
相談者から得られる個人情報やプライバシーを他者に他言してはならない原則です。
当たり前のことですが、相談者は援助者が他人に話すことはないと信頼して、個人や家庭の問題を相談します。
その信頼がなければ、信頼関係など築けませんし、適切な援助もできるはずがありません。
私も基本的には他の人に話すことはしませんが、援助を進める中で、他の職員や関係機関と連携したほうがいいと思われるときは、相談者に許可を取って情報を共有させていただいています。
最後に
以上がバイステックの7原則です。
これは1つ1つが独立しているわけではなく、それぞれが密接に関わっています。
1つだけ意識すればいいというものではありません。
どの原則にも言えることは、「相談者を一人の人間として、個人の尊厳・ニーズ・権利を意識して援助をしましょう」ということです。
今後子どもや保護者からの相談を受けた時は、ぜひ7原則を意識して対応するようにしましょう。
以上です!ではまた!
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